secret 35 ともだち、だよね?

「…い…たっ」
「今日はあんまり濡れてないな?」
痛、い。
無理やり侵入してきた指が肉を裂くようにナカを動く。
鈍い痛みに目に涙が滲んでしまう。
でも遠慮なしにギチギチと狭いナカを這いまわる指。
「か、ずくん…っ。やめ……っ」
またキス。
クチュクチュと水音をわざとたてるようにキスされて。
ナカに指を埋めたまま、たぶん親指の腹がぐにぐにと下の突起を押さえつけてくる。
しつこく突起を弄られて、くちゅ、と下の口からも音がした。
和くんがキスを止め、耳元で冷たく囁く。
「やっぱり濡れてきたな」
泣きたくなった。
痛くって、怖いのに、乱暴な愛撫に蜜が少しづつ、だけどはっきりと溢れだしてるのがわかる。
それを証拠に和くんの指の抜き差しがスムーズになってきてるから。
「かずくん……、やめて……」
なんでこんなことになってるんだろ。
わかんない。
どうしたらいいんだろう。
パニックになってる間にもクチュクチュと和くんの指に愛液は増していく。
「っあ……、おねが…いっ、やめ……てっ、和くんっ」
必死で、叫んだ。
ピタリ和くんの手がとまった。
一瞬ほっとしたけど、響いてきた和くんの声はものすごく低くって、怖かった。
「うるさい。黙ってろ」
ぐいっと片足を持ち上げられた。
「やっ!!」

こわい。
怖いよ、和くんっ。

この前も襲われたけど、でもあのときの和くんはなにか辛そうで悲しそうで苦しそうだったから抵抗できないまま、快感に流された。
でも、でも今は―――。
氷みたいに冷え切って、無表情な和くん。
私のことなんて、まるで見てないみたいな。
私のことなんて、見ないようにしてるような。
そんな気がして、ものすごく哀しい。
「っ! や!!」
熱い固いモノが割れ目にこすりつけられる。
「や、だっ! 和くんっ………、やだよ……っ」
クチュ、と先端があてがわれて、

「…………泣くなよ」

ひどく弱々しい和くんの声が降ってきた。
そしてそっと頬を撫でられた。
いつのまにか、自分でも気付かないうちにぼろぼろと涙がこぼれてた。
「ごめん」
優しい和くんの声。
それに誘発されるみたいに、目頭が熱くなって涙腺が壊れちゃったみたいに涙が流れ続ける。
「悪かった」
何度も何度も涙をぬぐいながら、和くんが謝りつづける。
いつのまにか抱きしめられてて背中をあやすように優しく撫でられて。
私は子供みたいにしゃくりあげて、泣いてしまった。


どれくらい泣いてたんだろう。
近くにあった段差に2人腰掛けて、和くんは私が泣きやむまでずっと抱きしめて背中を撫でてくれてた。
ぐずぐずと鼻をすすって、和くんを見上げる。
ずっと私のことを見ていたのかな。
和くんの眼はさっきまでとは違って、とっても優しかった。
「ごめ、んね」
目をごしごしと擦りながら謝ると、和くんはちょっと眉を寄せて困ったような顔をした。
「お前が謝る必要なんてねーよ。悪いのは全部俺なんだから」
ごめんな。
ぽつり呟いて、和くんは私の頭を撫でた。
後悔しているのがものすごく伝わってくる。
だからただ静かに首を横に振った。
それからしばらく和くんは黙り込んで、そして話し出した。
あの日のことを―――。。