secret 23 金曜日はパラダイス!?

ドラマが始まって、中盤、見ハマってた私の胸が鷲掴みにされた。
「ぎゃっ!」
ほんとにびっくりして叫んでしまう。
「……んだよ、その声」
うんざりしたような先生の声が背後からして、回させてた手が胸から離れていった。
「だ、だって急に! びっくりしますよ!」
文句を言うけど、先生はため息をついて、
「萎える」
白い目を向けてきた。
ムッとして先生をにらむ。
先生は気にする様子もなくキッチンへと行くと冷蔵庫からビールを取り出してきた。
そこでようやく先生の姿をマジマジ見ちゃった。
黒のスエットズボンにダークグレイの半袖Tシャツ。
Tシャツから覗いてる腕が意外に筋肉質でびっくりする。
ていうか……。
ごくごくとビールを飲んでる先生。
……なんか。
髪は濡れたままで……なんか……なんか!
この人、めっちゃ…セクシーなんだけど!?
エロ過ぎて先生がイケメンだったこと忘れてた。
「おい。そんなヨダレ垂らしながら見つめるな」
「…………み、み、見つめてませんっ!」
「あっそ。つーか、お前も風呂入ってこい。お湯入ってるから」
「え、いいですよ」
「いいから、入れ」
拒否権なんてない!って感じでリビングから追い出された。
教えてもらったバスルームに仕方なく向かう。
バスルームもまたキレイですごく広かった。
余裕で二人はいれそうなバスタブからは甘い香りが漂ってる。
初めて来た人様の家でお風呂借りるなんて、ちょっと気恥ずかしい。
でも夜だし、先生も髪まで洗ってたから、私も全部洗って湯船につかった。
やっぱり甘い香りがする。
ローズオイルでも入れてるのかな?
……なんか、先生って……。
「おい」
突然ドア越しに呼びかけられて、びっくりした。
「っひゃい!」
そのせいでまた変な声を出しちゃった。
「…………タオルと着替え置いてる」
呆れたような先生の声。
「は、はい。ありがとうございます」
お礼を聞くと、すぐに先生は出て行った。
覗かれるんじゃって一瞬身構えてたから、ほっとしてまたゆっくりお湯につかった。
ほかほか身体の芯まで暖まって上がると、バスタオルと新しいパンツと先生のらしいTシャツまで置かれてた。
……ブラジャーはなかったけど。
ドラム式洗濯機が動いてるみたいだから、私のは洗ってるのかな?
……なんかほんとに先生って意外にマメっていうかなんていうか。
フワフワのバスタオルで身体を拭きながら、思わず笑っちゃう。
拭き終わって、パンツをとった。
ピンクのふりふり、めちゃくちゃ可愛い!
さあ、履こうかな。

……………。

「……このパンツ……なんで股のところが開いてるの……?」

だってこれじゃ意味ないよね!?
生地が裂けてるよ!!
なんで!?
びっくりして恥ずかしくてパンツを投げ捨てる。
でも……アレを履かないとノーブラノーパンになっちゃう。
「あ〜、もうっ! 先生の変態!! エロ魔神!!」
仕方なく。仕方なくって!! 私は我慢してさっきのパンツを履いてみた。
履き心地は普通……。
でも……。
屈み込んで、ちょっとだけ見てみようとして……止めた。
だって、だって、もし丸見えだったら履いていられない。
うあー、もうヤダよ……。
なんでついて来ちゃったんだろ。
半泣きになりながらTシャツを着る。
Tシャツはギリギリお尻が隠れる長さ。
「……変態!! 絶対変態!!」
大きな声で叫ぶ。
それから時間稼ぎするように、ドライヤーを借りて、しっかり髪を乾かしてからリビングに戻った。