secret 137  kiss & kiss  

イった余韻でぼーっとしてると、先生が身体を起こした。
目が合って、先生がぺろりと唇を舐める。
濡れた口元が、自分のせいなんだと思うと顔が熱くなってしかたなかった。
先生は着てた服を脱ぎすてて、私に覆いかぶさってきた。
触れ合う素肌が心地よくって、それだけでゾクゾクしちゃう。
「もっといじめてやりたいけど、今日はもう挿れていいか?」
意地悪く笑って先生が私の頬に指先で触れてくる。
でもその目は色欲に染まってて、ドキドキしながら頷いた。
次の瞬間には唇を塞がれて、熱いキスを交わす。
その状態で先生の手がより一層私の脚を広げて、先生のモノが入ってきた。
「んっ……んっ」
ずぶずぶとナカを押し広げるようにして最奥まで一気に入ってくる熱くて硬いモノ。
それだけで、また軽くイってしまう。
「………すごい締めつけ……」
痙攣してしまってるナカに、私がイってしまったのを感じたのか、唇を離した先生が眉を寄せながら笑う。
「……っ……、せんせぇ」
「……ん?」
私のナカにある先生のモノ。まだ入れられただけで、動いてないのに身体が痺れちゃうくらいの快感を覚えてしまう。
恐ろしいくらいの充足感にめまいさえ感じながら、私は先生の首に手をまわしてしがみつくように抱きついた。
「せんせい……」
きっと甘えるような声になってると思う。
「どうした。早く動いてほしいか?」
ふっと目を細める先生に小さく横に首を振る。
まだ動かないで、って囁きながら、抱きつく腕に力を込めた。
先生も抱きしめ返してくれて、どうしようもなく気持ちよくって―――切ない。
「………お前、ほんと」
私の顔を覗きこんだ先生が苦笑しながら、私の目元に唇を寄せた。
「泣き虫になったな」
「………だって」
「だって?」
「…………先生が………私のナカにいるんだもん……っ」
「…………」
いつのまにか溢れてしまってた涙。
まさか、だって、先生とまた抱きあえるなんて思ってなかった。
「せんせ……」
ぐずぐずと泣きながら、先生を呼ぶ。
「なんだ?」
返す先生の声はひどく優しい。
「………あのね、………好き」
心と身体が満たされて、その想いばっかりが胸を突いて出てきてしまう。
「好き………好きなの」
ぼろぼろ涙がこぼれていく。
「………ほんとバカだな」
そっと先生は言って、キスしてくれた。
触れ合うだけのキスのあと、
「そんなの知ってる」
ふっと笑って、先生は私を抱きしめた。
そして耳を甘噛みして、囁いてくる。
「俺にしがみついておけよ」
その言葉の意味を理解するより早く、先生が激しく動きだした。
「っあ、ん……っあ!! ゃあ、っ」
抱きしめあったまま、腰を強く打ちつけられる。
肌と肌のぶつかる音と、ぐちゅぐちゅと水音を響かせながら、先生のモノが抉るように奥を突きまくってきて。
「あ、っあ、……は…っん、あっ」
痺れるような快感に全身が大きく揺れる。
息もできないくらいの下肢部から湧き上がる強い刺激に、先生に言われたとおり必死にしがみつく。
「っん……ぁ……あ、イ……ん……イっちゃ……うっ……せ、んせっ」
あっという間にまた昇りつめようとしてる身体。
先生のモノで擦りあげられて生まれる熱と疼きに、ぞくぞくとナカが蠢いてる。
「……あ、っい……く……っ、せんせ……ん、ぁっ」
「実優………」
激しく揺さぶりながら、先生が私に耳打ちする。
真っ白になりかけた頭の中で、先生の言った言葉に―――喘ぎとともに返す。
「……あき……と……っ、晄人……んんっ!!」
掠れた声で先生の名を呼べば、唇を塞がれて激しく口のナカまでも侵されて。
密着した身体の隙間に入り込んだ先生の手が、私の胸を揉みしだいて。
びりびりと快感が走り抜けて、さらに容赦ない突き上げに目の前がスパークする。
全身を痙攣させながら私は絶頂に達した。
そしてイキつづける私のナカがぎゅうぎゅうと先生を締めつけて、最奥に熱いものが吐き出されるのを感じた。
眩む意識の中で、
―――愛してる
そう、言われた気が、した。










腰を撫でる手に、うっすら目を開けた。
「………先生」
「ああ、起きたか?」
立て続けに3回戦までシて、最後はもうぐったり疲れ果てて寝ちゃってた。
で、いま起きたけど……先生が腰を触る手は労わるっていうよりもヤラしい感じの動き。
「あの、疲れまくってるんで触らないでほしいんですけど」
「おい。それが″大好き″な先生に向かって言うセリフか?」
軽くにらむと、先生は真面目な顔で問い返してくる。
だけどその目は明らかに笑ってる。
行為の最中に、何回も好きって言ったのは確かだけど……。
いま言われると、恥ずかしくってたまらない。
「………いま何時ですか?」
赤くなる顔を隠すように背けて、先生の言葉はスルー。
「………ほんとに、素直じゃねぇなあ。ま、いいや。あとでまた聞かせてもらうから」
薄く笑いながら先生は私の耳を舐めて、最後は囁くように言った。
「………もうシないもん……」
「はいはい。とりあえず、いまは7時だ」
「7時かぁ。……………え!? 7時!?」
慌てて先生の腕の中から抜けると、身体を起こした。
ベッドサイドの時計を見れば、間違いなく7時。
「……ど、どうしよう! 帰んなきゃ!」
ゆーにーちゃんが帰ってくる!
焦ってベッドから降りようとしたら、先生からぐいっと腕を掴まれて引き戻された。
「今日は泊まり」
「はぁ? む、無理です! 私帰って夕食作らなきゃ!!」
それに、先生とうまくいったからって、いきなり外泊なんてことできないし。
「いいよ。夕食作らなくって、飲み会だからな」
「飲み会? 先生いまから飲み会なんですか?」
「俺はお前と4回戦だろ?」
「もう! 意味分かんない! 私はゆ……ゆーにーちゃんに夕食を」
「だから佐枝さんは飲み会だから夕食いらないって」
「は?」
「ちゃんと外泊許可はとってるから心配するな」
「は? 誰に?」
「佐枝さん」
「佐枝さんって」
…………佐枝?
…………って。
「はぁ?!! ゆ、ゆーにーちゃん!?」
「他に誰がいるんだよ」
「な、なんで?」
「お前の保護者なんだから、連絡するのは当然だろ」
「な、なんで連絡先」
「この前交換したから」
「……この前って」
頭がパニック。先生の言ってる意味がわかんない。
「この前、会ったときに連絡先交換した。お前なかなか起きないからさっき連絡して外泊許可もついでに取った。以上だ」
「…………」
それ以上何もいうことないって感じで先生は言いきったけど。
でも、でも、でも! やっぱり私は。
「ど、どういうこと!!??」
って、パニックになりながら叫んだのだった。