secret 106  Border line  

「かわいいー!!」
テストが終わった週末、ゆーにーちゃんが約束通りディズニーランドに連れてきてくれた。
3月っていう卒業シーズン、しかも土曜日ってこともあってものすごい混んでる。
でもホテルの予約パッケージでファストパスがついてたから、乗りたいなって思ってたものはスムーズに乗れて満足。
いまはハニーハント。
「ゆーにーちゃん、かわいいよ! ね!」
「そうだね」
テンションが上がりきってる私に、ゆーにーちゃんはクスクス笑ってる。
大人なゆーにーちゃんに、プーさんではしゃいでる自分がすごく子供っぽく感じた。でも、ゆーにーちゃんは私を見て楽しそうにしてるから、そのままでいいんだって思える。
だからはしゃぎまくってハニーハントを楽しんだ。
そのあと2つアトラクションに乗って、ランチ。
そしてお昼のパレードを見た。
結構見やすい場所を陣取って、ルートをまわってくるキャラクターたちにテンションはさらにあがっちゃう。
「ゆーにーちゃん! ミッキー!!」
あ、ミニーちゃん!!
ひっきりなしに叫ぶ私。でも周りだって歓声すごいし、気にならない。
目の前にゆっくり来るパフォーマーさんたちやミッキーたちが乗った大きい乗り物とかに、圧倒されて、ドキドキした。
「懐かしいな……」
隣に座るゆーにーちゃんがパレードを見ながら呟いた。
「昔、来たときもみんなでパレード見たんだよ」
「………えっと……夜?」
「そう。覚えてる?」
「ん、なんとなく。きらきらしててすっごくキレイだったの覚えてる」
夜の空気とライトアップされたパレード。華やかで歓声に包まれていたのを、ぼんやりとだけど思いだせる。
あのときもゆーにーちゃんが隣にいた。そして私はパパの膝の上に座ってて、その隣にはママがいて。
『実優! 見て! プーさんだ!』
まだ高校生だったゆーにーちゃんがとびっきりの笑顔で、いまの私みたいにテンションを上げてパレードを指さしてたのを、思い出す。
「………実優?」
ゆーにーちゃんの指がそっと目元をぬぐった。
「あ、ごめん」
慌てて―――涙をぬぐう。
「……いや……俺がごめん」
眉を寄せるゆーにーちゃんに、慌てて首を振る。
「違うよ! この涙はそんなんじゃないの。哀しいとかじゃないんだよ?」
ゆーにーちゃんの手をぎゅっと握りしめて、笑って見せる。
「またゆーにーちゃんとこうして一緒にパレードが見れてすごく幸せだなって思ったの。こうしてゆーにーちゃんが傍にいてくれることがすごく、すごく奇跡みたいだなって、思ったの」
パパとママはいなくなっちゃったけど、ずっと変わらず傍にいてくれるゆーにーちゃん。
過去を哀しんだわけじゃないってわかってほしくって、必死にゆーにーちゃんを見つめて言った。
ゆーにーちゃんはしばらく私を見つめ返してたけど、視線をそらせて片手で目元を覆った。
「………やばい」
「………どうしたの?」
ため息をつくゆーにーちゃん。
顔を覗きこむと、ちらりゆーにーちゃんが私を見て、ほんの少し顔を赤くした。
「……ゆーにーちゃん?」
ゆーにーちゃんがそっと私の耳元に口を寄せる。
「……実優があんまり可愛いこというもんだから……」
「……ん?」
「……シたくなった」
「…………………え、えええ?!」
思わず叫んじゃって、慌てて口を押さえた。
パレード中だから叫んだって目立たないけど、でも、でも―――こんなところで、ゆーにーちゃんがこんなこと言うなんて。
顔が熱くなって、俯く。
「ごめん、変なこと言って」
「う、ううん」
「……パレード終わったら、チェックインしに行こうか」
「……うん?」
「休憩挟んで、また夜遊びに来よう。いい?」
ゆーにーちゃんの言葉になんか引っかかって顔を上げて見る。
途端に艶っぽいゆーにーちゃんの眼差しとぶつかって。
その言葉の意味を悟った。
「………い、いいよ?」
どうしようもないくらいに顔が赤くなっているのがわかる。
でも私はゆーにーちゃんと繋いだ手を離せるはずがないから、小さく頷いた。
ふっと笑うゆーにーちゃんに胸がドキドキしだして。
正直そこからはパレードどころじゃなかった。






ホテルはゲートのすぐそばにあるホテルだった。
豪華で、いたるところにキャラクターモチーフのがあったりして、目を奪われる。
ワクワクする、けど、ずっと握られてるゆーにーちゃんの手に、半分はこれからのことに意識が奪われちゃってる。
初めてでもないし、久しぶりっていうわけでもないのに、変にドキドキする。
まだお昼過ぎ、もう夕方近くっていう時間だからか。
それともお出かけ先で―――みんなが楽しんでいる空間でだからか、わかんない。
「実優、行こう」
促されてエレベーターに乗って、部屋に行く。
ゆーにーちゃんがとってくれてた部屋は十分広くって、素敵だった。
部屋に入ったらテンションがまた上がっちゃって、バスルームなんかを見回る。
アメニティもキャラクターのイラスト入りだったりして、わくわくする。
窓からはさっきまでいたランドが見えて、それを眺めてた。
「実優」
後ろからぎゅっと抱きつかれて、一瞬忘れちゃってたことを思い出す。
首筋にかかるゆーにーちゃんの息に一気に体温が上昇しちゃうのを感じた。
「う、うん」
上擦っちゃう私を、少し笑いながらゆーにーちゃんが自分の方へと向かせる。
「ごめんね、せっかく楽しんでたのに」
「い、いいよ! 私も少し疲れてたから。きゅ、休憩必要だし」
「そうだね。じゃぁ、あんまり疲れないようにしなきゃだね。いまからの″休憩″は」
色欲に濡れたゆーにーちゃんの目が悪戯に細まる。
「……っ。あ、う、うん――――っ」
どもる私の唇が、優しく塞がれた。
暖かいゆーにーちゃんの唇。
その先から舌が出て、私の唇を舐める。
思わず口を少し開けたらすぐにナカへと滑り込んでくる。
ゆっくり舌が口内を這って、私の舌を舐める。
それだけでビクンって身体が揺れてしまう。
ゆーにーちゃんの手が洋服の上から胸を揉み始めた。
「っ……ぁ」
舌に絡みついてくる舌。
どんどん身体が熱を帯びてく。
「……ん……っ……」
くちゅ、と唇の端から水音と、少しだけ唾液がこぼれてしまう。
「ゆ、……にぃ……ちゃ」
いつのまにか洋服の中に差し込まれた手がブラジャーを外すのを感じて、ゆーにーちゃんをぼんやり見つめた。
「……ん?」
微笑むゆーにーちゃんは私だけに見せる男の顔をしてる。
「あ、あの……ここ……窓……」
「うん」
頷きながらも、ゆーにーちゃんの手は背を撫で、胸を弄る。
「外から……みえる……よ」
羞恥に顔を赤くしながら言うと、ゆーにーちゃんは目を細めた。
「遠くだし、見えないよ」
「……でも」
「ベッドがいい?」
頷くと、次の瞬間いきなり抱えあげられた。
お姫様だっこでゆーにーちゃんにベッドの上に運ばれ寝かされる。
すぐにゆーにーちゃんが私の身体をまたいで馬乗りになってきた。
黒のVネックのニットをさっと脱ぎ、上半身裸になるゆーにーちゃん。
均整のとれた身体に、勝手に身体が疼く。
顔だけじゃなくって全身も赤くなっちゃってると思う。
ゆーにーちゃんは手際よくあっという間に私の服を脱がせていきながら、全身にキスを落としていった。
覆いかぶさってくるゆーにーちゃんと肌が触れ合って、その心地よさに一層身体が熱くなってしまう。
「実優、かわいい」
ふっと笑いながらゆーにーちゃんは胸の蕾を口に含んだ。
「っぁん!」
びりっと刺激が走って、高い声が出てしまう。
唾液を絡ませながら吸われ、もう片方の胸もゆるゆると揉まれて、身体が揺れる。
「……っは……んん……ぁ、んっ」
「気持ちイイ?」
ぺろりと蕾を舐めながらゆーにーちゃんが訊いてくる。
「……ん……っ、きもち……いいっ……ぁっ」
また強く蕾を吸われる。
胸への責めだけで、頭がぼーっとなるくらいに気持ちよくってしかたない。
いつのまにか胸からお腹へ、そしてさらに下へと這っていくゆーにーちゃんの舌。
ときおり軽く肌を吸いながら、脚の間に到達した舌は一瞬ほんの少しだけ突起を舐めた。
ちょっとだけ掠った熱にぞくっと鳥肌が立つ。
そしてゆーにーちゃんが両ひざの裏を持ち上げて、私の足をM字に開かせた。
「ここ、どうなってるかわかる?」
指先でつーっと割れ目をなぞられる。
その感触に小さく脚を震わせながら、ゆーにーちゃんが見ているそこを私も目で追った。
「……っ……ぬ…れて、る……?」
「どれくらい?」
「……たくさん……?」
たぶんトマトくらい赤くなっちゃってるんじゃないかなってくらいに顔を熱くしながら、私はようやくの思いで答える。
「じゃあ、確認してみよう」
その言葉にドキドキしながら、ゆーにーちゃんが動くのをじっと見てた。
ゆーにーちゃんの指が触れる―――と思ったのに、確かめるために割れ目へと近づいたのは舌で。
ざらりと舐め上げられて、
「ぁんっ! ぁ、っ、は……っ」
腰を浮かせたら、舌がそのままぬるりとナカに入り込んできた。
「やぁっ、んっ……ぁん」
入口付近を舌で押し開くように舐められる。熱い感触と、ぴちゃぴちゃと聞こえてくる水音に、さらに蜜が増すのがわかる。
蜜を掻きだすようにナカを這い回りながら奥へと侵入していく舌。
ざらつく舌が動く感触に、どんどん息が乱れて、快感が強くなっていく。
「んっ、ふ……ぁ……、は……ぁ」
ぴちゃぴちゃ、水音が激しく響く。
指とも、アレとも違うナカを犯される感覚。
気持ちよくって腰が左右に揺れ動く。
「んう、ぁ……っ、あ……ん……ひゃ……ぁん!!」
舌が突然抜かれた、と思ったら突起を唇で挟まれるように扱かれた。
びりびりと強い刺激が駆け巡る。
ぐちゅっと3本の指が一気に突き刺されて。
「……っや……ぁ……っ、……っイ……っちゃ、う……っ」
甘く突起を噛まれ、長い指でピストンされて、あっというまに昇りつめてく身体。
「ゆ、に……ちゃ! イ、イ……く……っ、イっちゃう」
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響く中で、私はのけぞりながら絶頂を迎えてしまった。