らぶらぶでいきましょう♪ 3

舌で開けろと唇を舐められる。
もう何回したかなんてわからないくらいのキスだから、自然と唇は開いて先生の舌を受け入れちゃう。
熱い舌がいつもより少し激しく口内を這いまわるのがたまらなく気持ちいい。
先生にもたれかかってキスをしばらく続けた。
それから少しして先生の顔が離れて、キスの余韻にぼんやりと先生を見つめる。
「実優」
「……なに?」
「それで、何人に告白された?」
「………」
「………」
「………」
答えるまで諦める気はないみたい。
先生にじとっと睨まれて、正面を向く。
どうしようかなって悩んだけど、変にごまかしてもばれそうだし、それに別に私はなにも悪いことしてないし!
「……えと、月1くらいです」
「………5人?」
「……かな?」
「一年か?」
「え? えと、いろいろ?」
あはは、って笑うと、鋭い視線を向けられてさっと逸らした。
「へぇ、2年や3年もか?」
「……うん」
「ふーん、モテモテだな?」
「……べ、べつに」
いままでたいしてモテたことなんてなかったのに、2年生になってからたまに告白されるようになったのは確かだけど理由はよくわからない。
「みんな目がおかしいんだよ、きっと!」
「……じゃあ俺もおかしいのか」
「……う」
どう答えればいいのかわからなくって、ちらり先生を横目で見る。
とたんにまた顎をすくわれて、かすめるようなキスを一瞬落とされた。
「ったく、どうせお前のことだから無防備すぎるんだろ」
「む、無防備?」
意味がわかんなくって首を傾げると、そこへキスが落とされる。
先生の手が妖しい動きをはじめだして、お腹から太腿へと撫でていく。
……怒ってないのかな?
首筋に唇を押し付けたまま手を動かしていく先生にちょっと気が緩む。
もう条件反射みたいなものだと思う。
先生に触れられるとすぐに身体が熱くなってもっともっと触ってほしくなっていく。
先生の手がスエットズボンの中にもぐりこんでいって、素肌に触れて、ほんの少し身体が震えちゃう。
「……晄人」
エッチなことをするときは名前で呼ぶのに慣れちゃってるから、スイッチが入ったっぽい空気に、ちょっと甘えるように名前を呼んでみた。
先生の指がショーツのラインをなぞるように這う。
静かな動きにもどかしくなって先生の胸元にほっぺたを擦りつけてみる。
と―――先生の動きが止まった。
どうしたんだろ、って先生を見ると、先生も顔を上げて私を見つめてくる。
先生は無表情で私の……頬を抓ってきた。
「い、いひゃい!」
「エロい顔しやがって」
ぐにゃーっとほっぺたを伸ばすように引っ張られて、めちゃくちゃ痛い!
抵抗するとようやく離してくれた。けど!
「エロいって! 先生がエロいことしようとしてたんでしょ!?」
「だから?」
「だから……って! い、いたー!」
またほっぺたを引っ張られた。
な、なんなの、一体!
「なにも知らない顔して無駄にエロくさい空気出してるんだろ」
「は、はぁ!? なに言ってるの? 意味分かんないよ!」
ほんっとうに意味分かんない。
むっと口を尖らせて先生を睨むと、先生は深いため息をついて私の頭をくしゃくしゃにかき混ぜた。
「ちょ!」
「いいか、実優」
「なに?!」
「お前、俺の女だっていうこと忘れるな」
「……は?」
俺の女……ってなんだか……。
「にやけるな」
「にやけてないもん!」
はっと我に返って頬の筋肉を引き締める。
先生は少し呆れたようにため息をついて、変なことを言いだした。
「お前が付き合ってる男の特徴を言え」
「………」
「………」
「……えっと、ヘンタ」
最後まで言わないうちに両方の頬っぺたを先生の手が挟んできた。
「ちゃんと客観的によく見て言えよ?」
黒い笑顔の先生に、仕方なく頬っぺたを挟まれたまま小さく頷くと、頬っぺたは解放された。
……本当になんなんだろう、先生。
意味わかんな過ぎて内心ため息をつきながら"客観的"にな先生の特徴を思い浮かべてみる。
「えー……っと……見た目はかっこいい?」
「………」
「28歳」
「………」
「背が高い」
「………」
「ドS……じゃなくってー、クールビューティ?」
鋭く睨まれたから、笑ってごまかしてみる。
それにしても……特徴って、いざいわれると思いつかないなぁ。
"客観的"じゃなかったらいろいろあるだけどなぁ。
変態とか。
変態でドSとか。
意外にねちねちしつこいとか。
変態で―――……。
「オイ……、お前俺にケンカ売ってるのか? 全部声出てるぞ」
「え!? あ! ごめんなさい! ついうっかり本当のことを!!」
めっちゃくちゃ先生が睨んでる。
どうやらうっかり声に出しちゃってたみたいだから……まぁ怒るよね。
「うっかりじゃないだろ」
そしてまた頬っぺたを抓られる。
絶対頬っぺた伸びちゃうよ!!
「ごめんにゃしゃいー!」
必死で謝ると、ようやく手を離してくれてものすごく大きなため息をつかれた。
先生は私を横向きに座りなおさせてじっと見下ろしてくる。
「……とりあえずお前のいう俺の特徴をまとめると」
「……うん」
「クールビューティなかなり大人の良い男ということだ」
「…………」
……先生、それ自分で言っちゃう?
なんて言ったら絶対怒るよね。
にこりともせずに真剣な顔で言いきった先生は鋭く私のことを見続けてるから、とりあえず笑顔を作って頷いた。
「そ、そうだね!?」
「………」
「ほ、本当にそう思うよ!」
機嫌よくなれ!、って必死で取り繕うと、なぜか先生はまたため息。
「まぁいい。要はだ、そのイイ男に恋するお前はキレイになっていってるってことだ」
「…………ぶっ」
………咄嗟に、吹き出してしまった。
耐えきれなくって口元を押さえるけど笑いはどんどん出てきてしまう。
先生がすっごく黒いオーラ全開で見つめてきてるけど、今は無理!!
「……おい」
「だ、だって、恋する!とかって!! せ、先生、真面目な顔で!!」
確かに恋をするとキレイになるとか言うけど!
それを先生が言うなんて!!!
笑っちゃいけないってわかってるんだけど、笑いが止まらないでいた。
―――んだけど、ぐるっと視界が反転して背中に硬い感触がして、笑いは止まった。
視界に広がるのは天井と満面の笑みを浮かべた先生の顔。
「………」
「ずいぶん楽しそうだな?」
「……う、ううん?」
うん、なんて言った日にはなにされるかわかんない!
……でも、もうすでに危ないかも……?
不気味なくらい笑顔な先生にどうしようって機嫌を直す方法を考えてると、いきなり胸を鷲掴みにされた。
ぐにゃぐにゃと強弱をつけて揉んでくる。
雰囲気的にたぶん怒ってるんだけど、その手はあきらかに感じさせようって動いてる。
「……んっ」
先生は満面の笑顔を薄笑いに変えて私を見下ろしてた。
「実優。お前、俺のことが好きだろ?」
「……へ……っ、う、うん……っ。す、好き」
私の上にまたがっていた先生が私の脚を開かせて間に入ってくる。
右胸を揉み続けながら、先生のもう片方の手は脚の間に、ズボンの中に入って。
今度はあっさりとショーツの中に滑り込んできた。
先生の指が割れ目をなぞる。
もうそこは恥ずかしいくらいに濡れてるってことを知ってる。
ぬるぬると先生の指が滑って、愛液を塗りつけるようにして敏感になった突起に触れてくる。
びくん、と身体が震えて甘い痺れに吐息が漏れてしまう。
「あきと……」
「なんだ?」
先生は意地悪く笑って指を動かすのをやめた。
「……ケチ!」
「この俺をさんざん笑ってただでイかせてもらえると思ってるのか?」
「……変態ケチ!」
「………」
「……んんっ!」
顔をひきつらせた先生は噛みつくようにキスしてきた。
口の中に入り込んできた舌が私の舌を絡めて強く吸い上げる。
それだけでどうしようもなく気持ちよくなっちゃうなんて、私って相当調教されちゃってるなって思ってしまう。
先生の腕をぎゅっと握ってキスに応えた。
しばらくして終わったキス。
先生は怒っているのか怒ってないのかいまいちわかんない表情で私の頬を撫でた。
「こうやって毎日触れ合ってんだから、無駄にエロくなってることを悟れよ?」
「………は?」
さっきから先生はなにを言ってるのか意味わからない。
首を傾げると、「んじゃ、お仕置きな?」って先生は口元を歪めて。
起き上がった先生に担ぎあげられて寝室に連れていかれた。
やっぱり笑いまくったことまだ怒ってるんだって心の中でため息ついたけど。
でも"お仕置き"に不安はちょっと、あとの残りは期待で。
ベッドに放り出されるように沈められて、のしかかってくる先生に、私は完全に毒されてるってしみじみ思いながら目を閉じた。
そしてはじまった今日の"お仕置き"はねちっこすぎる"焦らしプレイ"で。
さんざんイく寸前で焦らされて、最終的には先生が満足するまで抱かれ続けた。
明日は休みじゃなくって学校だっていうのに!
ありえないって文句言いながら、結局……先生の腕の中で丸まって眠ちゃってしまっていた。