Dark Moment 3

「お前って、そういう女だったのか?」
実優は松原と付き合ってないと言った。
教師である松原と付き合うはずなんてない、ありえない、そんな風に。
じゃあ、なんで―――
「なにしてたんだ? 喘ぎ声なんて、あげて」
俺の言葉に実優は凍りついた顔をした。
それが俺の勘違いでなかったことを証明するには十分だった。
「誰とでもできるんだろう?」
勝手に、口が動く。
こんなこと言うつもりじゃない。
こんなことするつもりじゃない。
だけど……。
実優を怖がらせて怯えさせてしまってるってわかってるのに、苦しくて―――恋人でもないやつに身体を許してる実優が許せなくて。
なら、俺にもアノ声を聞かせろ、と―――馬鹿なことを思ってしまってる自分がいた。
「やめ……てっ」
抵抗する実優の身体を封じて、冷たい言葉を吐きだしながら身体に手を這わせた。
制服のボタンを外しながら少しづつ見えてくる白い肌に唇で触れる。
頭の中では"ヤメロ"って声がするのに、俺の身体は制御できなくなっちまったように実優の身体を犯してく。
柔らかい肌と、ほのかな香りと、耐えながらも漏れてしまう甘い声に理性なんて破壊されて行くばっかりで。
「和くんっ。お願い、やめて?」
怯えと困惑で動揺しまくってる実優は目を潤ませて俺の名を呼ぶ。
だから、逆に止まらなくなる。
自分がなにをしているかわかってるけど、若い俺がいったん暴走しだした欲を止めることなんてできそうになかった。
実優を―――泣かせるって、わかってんのに。
「……逆効果なんだよ」
羞恥で赤く染まった顔や、身体と、潤んだ目に欲求は増すだけ。
ネクタイをとって実優の手を縛った。嫌がる実優を押さえつけるようにブラジャーを外して、その胸に吸いついた。
俺の口の中でだんだんと硬く尖ってくる先端と、身を捩るように震えてる身体に、背筋がぞくっとする。
「んっ……っは……ぁ」
やめて、と繰り返す中に紛れてる喘ぎにどうしようもないくらいめまいを感じてしまう。
「気持ちいいんだな?」
きっと冷たい声になってる実感はあった。
俺が喋るたびに、実優が哀しそうにするから。
「犯されても感じるのか? お前」
ひどい言葉だってわかってる。
心と身体が絶対繋がってるって限らない。だから、たとえイヤでも執拗に弄られれば感じてしまうことだってある、と思う。
俺の中で、分かれる心。
やめなきゃっていう想いと、もっと―――松原よりも感じさせたいっていう想いと、好きでもない俺なんかに愛撫されてなんで感じてんだよ、っていう苛立ち。
せめぎ合う気持ちに、だけど結局は欲望のまま俺は実優をいたぶってしまう。
無理やりこじ開けていた実優の脚の中心に手をもっていくとそこはもう濡れていて、促されるように指を下着の中に入れてた。
松原とさっきまでシてたせいか、それとも俺に感じてくれてるのか蜜にあふれたそこをかき回す。
浅く指を差し入れただけでギュッと締め付けてくる暖かい膣内に俺の欲がどんどん膨らんでいく。
クチュクチュと卑猥な水音が響いてきて興奮してしまう自分に、微かに残った良心が切り刻まれる。
「ほら―――濡れてんだろ? これ、お前のだろ」
実優の蜜で濡れた指先を突きだすように見せると、赤い顔をさらに赤くして実優はいやいやと首を振る。
抵抗し続けろ、と思いながら、もっと感じろって思いながらぺろりと指を舐めた。
そして下着を脱がせる俺に「なんで」と訊いてくる実優。
なんで?
なんでって―――。
「お前が……」
好きでもないヤツに抱かれたりするから。
俺に感じたりしてるから。
止められねーんだよ。
苦い想いが胸の底に落ちていく。
それを振り切るように実優の腰を抱えて、濡れた秘部に顔を埋めた。
女と関係を初めて持ったのは、中3だった。捺に引っ張られて行った合コンかなんかよくわかんねーところで会った、3つ上の高校生が相手だった。
それからその女と1カ月くらい付き合って、別れて。
俺も男だし、まだ中坊だったし……猿みたいに盛ってた時期があった。
だけど―――感じさせたいとか、そのためにならなんでもしてやりたいとか思ったことはなくて。
最低だろうけど、突っ込めばいいくらいの感じだったから、こうしてマジで惚れた実優を相手にして緊張してる部分もある。
無理やりだから、そんなもん忘れるくらいにイカせたい。
「あっ……っぁん………、っふ……ぁゃ……っ」
俺の耳朶を打つ実優の甘い声にまだ挿れてもいないのに、ぐらぐらするくらい感じてしまってる。
もっと実優の声を聞きたくて、溢れてくる蜜を全部舐めとるように舌を動かす。
「舐めても舐めても溢れてくるんだけど、どうすんだよ」
実優はあきらかに快感の混じった、でもやっぱり泣きそうな顔で俺を見つめる。
「腰押し付けるな。お前、犯されてんだぞ? ああ、淫乱だから、いいのか別に」
言葉で責めるたびに、蜜がたくさん溢れてきて実優の半泣きの否定する声を聞きながら吸いついた。
膣内に舌を挿れて、温かく蠢くソコを味わう。
わざと音を立てながら蜜を吸いだしてると、びくびく実優の太ももが身体が痙攣しだした。
イキそうになってる。
その事実に、ぞくぞく、とまた悪寒にも似た刺激が背筋を駆け上がる。
「っや! っふ……ぁ…! ……だ、めぇ……ッ」
出来るだけ膣内に舌をねじ込んで、膣壁を舐め回った。
イキそうな身体を、イカせるために、クリトリスを一緒に刺激した。
「やっ、だめっ……ぁ! …あ…んっ……か…ずく……ンッ! っは……やぁぁ」
すぐに実優の身体が大きく震えて、脚ががくんと伸びる。
自分で少し腰を揺らしながら最後イってしまった実優が俺の名前を呼びながらだったことに、馬鹿みたいに嬉しくなる。
「イッたのか? ほんとーに淫乱だな。―――ココ、こんなに開けて何が欲しいんだよ」
痙攣してるソコに指を二本突っ込んだ。
「っあん!! っぁ…ッ……だ…めぇ……ッ」
「何がダメなんだ? さっきだって自分から腰押し付けてきてイッたのに? 今だって腰揺らしてるくせに?」
イったばかりだからか蜜がたくさん溢れてきて俺の手をどんどん濡らしてく。
指を咥えこむそこはあったかくて、早く自分を埋めたくなってしまう。
「俺の指ギュウギュウ締めつけて蠢いてんの、わかるか?」
指を折り曲げて抉るようにしながらピストンさせていると、またびくびく実優は身体を揺らした。
生理的なものなのか、嫌悪からなのか目の端に涙をにじませた実優の目は少しうつろになってた。
「なんだ、またイッたのか? どうしようもないな」
最低な行為をしてる。
もう何度もヤメロと警鐘がなってる。
だけど、もう限界は近づいてた。
快感に染まった実優の火照った顔に最後の一線をあっさりと越えようとしてしまう。
実優の中から指を引きぬいて、俺は勃ちあがった自分のものを取り出した。