EXTRA GAME First contact 4

教頭と智紀に無理やり仕事を押し付けられた週の後半、金曜日。
教頭からの雑用はし終えてつい先ほど提出してきた。
その帰り屋上で一服中、目に付いたのは例の転校生の姿だった。
放課後の校舎をうろうろしている。
………なにしてんだ、あいつ。
視界の範囲から消えたと思ったらまた戻ってきて。
一階の廊下を歩いているかと思ったら3階を歩いていて。
「………まさか迷子とか言わねぇよな」
遠目だから表情までは見えないが―――あの天然そうな実優ならありえる。
廊下で激しく転んでいた間抜けな姿を思い出して思わず笑いが漏れた。
腕時計を見れば4時半。
仕事はまだ多少残っているが、さてどうするかな。
煙草をくわえたまま携帯を取り出す。
実優の名前を表示させ、校舎を見下ろすとまだウロウロしていた。
「二度目の偶然があったら、食わせてもらうかな」
いま連絡をいれてもいいがただ連絡するのもつまらない気がした。
もしこれから準備室へ戻るあいだに鉢合わせたら―――その時は。
口元が緩むのを感じる。
携帯をしまい、煙草を携帯灰皿でもみ消して屋上をあとにした。
階段を下りていき準備室のある階へと出る。
そして、見つけたのはどうやら本当に迷子らしい実優の後ろ姿。
あたりを見回してはため息をついている。
いったいどこへ行きたくて迷っているのか。
方向音痴にもほどがあるだろうと、内心突っ込みながら準備室の鍵を静かに開ける。
実優は俺の存在に気づいていない様子だ。
そっとその背後に近付いて、腕をつかんだ。
こちらを向かせるヒマを与えずに準備室へと連れ込む。
後ろ手に鍵をかけると、実優が振り返った。
「ま、松原先生?!」
あのときの校内放送のおかげかちゃんと名前まで覚えていたようだ。
「お、覚えてくれてたんだな。よかった」
笑って言うと、実優は何か言いかけて口を閉じた。
その顔が真っ赤に染まっていく。
「思い出しただろ、いま」
反応は上々。
この密室に拒否反応もなさそうだし、俺の言葉に一層顔を赤くした実優は落ち着きなく目を泳がせている。
実優の腕をひっぱり華奢な身体を抱えてデスクの上に座らせた。
驚いてはいるようだが抵抗はない。
なら―――このまま進めるだけだ。
「なあ」
実優の唇に触れそうなくらいまで顔を近づけ囁く。
「あの日さ、家帰ってからシた?」
「へ?」
目を点にする実優に笑いを堪えながら、訊いてみた。
「だってさ寸止めだっただろ? 家帰って一人でシたんじゃないかなーと思って」
あれだけ感度のよかった身体が放置されて耐え切れたか?
性格的に自分でなどしないだろうが、もしシてたとすればエロくさくて興奮する。
「………シてません」
これ以上ないほど顔を赤く染めた実優は首を横に振った。
恥ずかしそうに困る様子に、もっと困らせたく、顔だけじゃなく身体全部赤く染めたくなる。
「本当か?」
疑うようにわざとその目を見つめる。
「本当です。だって」
「だって?」
実優の瞳が一瞬揺れた。
「ひとりエッチはしちゃダメって言われてたから」
「は?」
予想外の言葉に、一瞬呆けた。
ダメだと言うとすれば、それは間違いなく男だろう。
「へー。彼氏に? いるんだ、彼氏」
性に従順そうだったが、やはり躾けられてたか。
「……そう、ですけど。……いまはいません」
まあいまいてもいなくても俺に関係ない。
俺はただセックスというゲームを楽しむだけ。
「でも、なかなかいいこと言うね、その彼氏クン」
おそらく年上だろうな。
軽くキスを落とし、実優のスカートの裾に手を入れる。
「ひとりでシなかったなら……、欲求不満になるよなぁ?」
太ももを撫で、奥へと進んでいくと我に返ったように実優が叫んだ。
「ちょっ! 待って!」
「いまさらだろ?」
指はもう到達する。
ショーツに触れればじっとりとした感触。
「湿ってる、すごく。ていうか、濡れすぎだろ」
ショーツの横から指を侵入させ濡れたソコに指先を沈める。
小さな水音が響いた。その音に実優が顔を伏せた。
耳まで赤くなってしまったのを薄く笑いながら眺め、秘所を撫でる。
「ごめんな。本当はもっと早くに連絡するつもりだったんだけど。教頭から面倒な仕事おしつけられてさ。忙しかったんだ」
あと智紀のやつにも、な。
まあ智紀にはこの借りはきっちり返してもらうが。
考えながらも、ゆっくりと指を挿入し熱く濡れた膣内を音をたてるように動かす。
「っあ……。やっ!」
「もうまじで忙しくってさ。俺もあのときの寸止め以来、シてないんだよ」
卑猥な水音に、さらに蜜が溢れてくる。
「やっ……ンッ!! あっあっ……」
指を追加し二本の指でかき回すと、実優は小刻みに身体を震わせた。
腰を支えるために手をあて深く指を突き刺しながら親指で敏感な突起をこねる。
「ありえねー。もう丸四日もシてないんなんて」
それも今日で解消だが。
「ひゃっ! やンッ……!!」
やはり感度は良いらしい。
俺の指の動きにどんどん蜜は溢れ出、内部は熱く蠢き締め付けてくる。
涙目になった実優は与えられる快感を堪えるように俺にしがみついていた。
もう一本指をさらに追加し、3本の指で奥まで突けば、喘ぎは切羽詰まったものへと変化していく。
「ッあ! だめっ!! やあぁっ」
その言葉とともに実優の脚が小刻みに震えだす。
イきそうになっているその身体に快感を流し込むように、指を出し入れし、突起を弄る。
「やっ! イ……」
切なげに眉を寄せる実優。絶頂へと昇りつめようと内壁を収縮させる膣。
それを感じ、俺は―――指を引き抜いた。
あと一歩のところでイき損ねた身体は、だがイく寸前の余韻で震えている。
実優は潤んだ目で俺を見つめてきた。
手早くゴムを勃ちきった自身につけて、実優の太ももを抱える。
「入れるぞ?」
俺の言葉に実優はぼんやりとしながらも、小さく頷いた。
ふっと笑いながら、実優の腰を引き寄せると一気に奥まで突き刺した。
「やぁぁぁッッッ!!!」
肉襞を押し広げるように最奥に到達した瞬間、膣内も身体もすべてを実優は痙攣させた。
「なに、実優。入れただけでイッたのか?」
からかうように言ったが、実際俺もヤバかった。
指で味わってはいたが、当たり前ながら直接的な刺激は段違いに快感を増幅させる。
熱く、ねっとりと絡みついてくる内壁にきつく締めあげられて、欲望の赴くままに突き動かしたくなる。
寸止めのあげくに4日間のお預けだったせいか、ひどく気持ちがいい。
「ッん……。だ……って……」
イったばかりの実優の甘い声にどんどん欲が溢れて行く。
精射感を覚えるが、とりあえずはゆっくりと味わせてもらおう。
繋がったまま実優を抱き上げ、イスに座った。