もしも先生が媚薬を飲んだら? 実優side 

今日は土曜日で、いまはもう夜の9時。
のんびりと過ごしていま先生は晩酌中。
アイスバケットに氷を入れて先生のところに戻る。
水割りを作ってあげると、妙に優しい笑顔で「ありがとう」って言われて―――ちょっと寒気がした。
だって先生の優しい笑顔ってなんか怪しいんだもん。
先生は美味しそうに私の作った水割りを飲みながらテレビを見ている。
夕食前に二人で借りに行った一昔前の海外ドラマを基にした映画版のDVDが画面に映し出されている。
先生が子供のころ見ていて大好きだったらしい。
懐かしそうに楽しそうに観ている先生はちょっとだけ幼く感じてちょっとだけ可愛く見えた。
そんなこと言ったら怒られそうだけど。
私用のオレンジジュースを手にとって、ちらり先生の水割りを見る。
―――飲んでみたいなぁ。
美味しいのかな?
先生の実家から貰ってきたいいお酒らしい。
美咲さんが『フルーティだから女の子でも飲めるかも』とか言ってたっけ?
テーブルに置いてある水割りを眺めて、ちょっとした悪戯心でオレンジジュースと交換してみた。
ドキドキしながら水割りの入ったグラスを口元に持っていく。
ちょうど先生も私のオレンジジュースを、たぶんそうと知らずに飲もうとしていた。
「……っう、う〜!」
無理むりー!
水割り一口飲んで、駄目だって実感。
私には大人過ぎる。どのへんがフルーティなんだろ?
って思ってると―――ゲホげホッ、っと先生が激しくむせていた。
「な、な……!?」
一気に飲んでしまったらしいオレンジジュースの入っていた空のグラスを見つめて珍しく青くなっている先生。
「あ、ごめん。ちょっと交換してみたんだ。やっぱり私には無理だったみたい」
笑って先生の前に水割りを返す。
だけど先生は呆然とした顔で私を見ていて。
「どうしたの、先生?」
「………………なんでもない」
さっと視線を逸らせ、先生はやっぱり珍しく挙動不審な様子でテレビへと向き直っていた。
そしてそれから数分―――。
「………っ」
「………」
どうしたんだろう、先生。
お酒今日はそんなに飲んでないはずなのに、ものすごく顔が赤い。首とかも赤いし、耳も。
目はやたらと潤んじゃってるし、呼吸まで荒い。
たまに辛そうにため息をついてるんだけど、なんだか熱っぽいし。
………変に色っぽい。
いつも隙なんて見せない先生だからなんとなく余裕のなさそうな様子が珍しい。
具合悪いのかな?
先生のそばに膝歩きで近づいて肩に手を乗せた。
「先生?」
どうしたの、って言おうとしたんだけど、触れた瞬間ビクッてものすごく先生が身体を震わせたからびっくりしてしまった。
「せ、せんせい……っ、きゃ!!?」
今度こそ、どうしたの、って言おうと思ったのにいきなり先生は振りむいて私を床に押し倒した。
すかさず馬乗りになったかと思うとキスしてくる。
「んっ、んんっ」
唇を割って入ってくる舌はいつもよりも切羽詰まったような激しさがある。
そしてキスしながら先生の手が服の中へ入ってきて、その手の熱さにびっくり。
熱でもあるんじゃないのかなってくらいに熱い手が私の胸に来たかと思うと強く揉んで先端を弄ってくる。
「っ、……ぁ、んっ」
ほんとうにどうしちゃったんだろ!?
全然余裕がないみたいな先生はすぐに下を触ってきた。
下着の中に手が入ってきて割れ目を撫でたかと思うとゆっくり指がナカに潜り込んでくる。
「ん……っ、………んっん」
ぐりぐりとナカをかき回す指の動きにくちゅくちゅと水音がすぐに響いてきて、気持ちよさに先生の腕をぎゅっと握りしめる。
「……っは…ぁ」
ようやく激しいキスが終わって、ぼんやり先生を見つめる。
「………実優」
やっぱりなんか変だ。
潤みまくってる目は甘えるように私を見下ろしてた。
いつも以上にめちゃくちゃ色っぽい。
なんだかエロエロ光線が先生から出てる気がする。
先生は私の名前を呟きながら首筋に顔を埋めて、下は指をどんどん奥へと進めて動かし始めた。
「んっあ、ぁっ」
2本3本と増やされた指は遠慮なく私のナカを抉って激しく動く。
一気に襲ってくる快感に喘ぐことしかできない。
熱い先生の指がナカを擦りあげてきて身体がびくびくって震えだしてきた。
もうちょっとで―――イっちゃいそう。
与えられる刺激をただ受け入れながら喘ぎ続けて。
「っあ、あきと……っ」
イっちゃう、って言おうとした。
だけど言う前に先生の動きが止まって。
……もしかしていつもの意地悪な焦らしプレイ!?
なんて思ってたら一気に履いていたズボンと下着を脱がされて、大きく脚を割り開いて、やっぱりいつもより熱くって、いつもよりちょっと大きいような気がする先生のものが宛がわれた。
「……挿れるぞ…」
掠れた低い先生の声。
やっぱり、なんかいつもと―――って思っているうちに一気に先生のものが私を貫いた。
「んっ、ぁあっ」
最初っからいきなりハイスピードで律動する先生。
「っ、は……ぁん、はげし……っ……あっ」
肌と肌がぶつかる音と、ぐちゅぐちゅっていう水音と、摩擦する熱と。
イきかけだったせいであっというまにのぼりつめてしまう。
「ぁ、あ……っ、イ……ちゃう…っ」
激しく突きあげられて、目の前が真っ白になった。
そして同時に先生の動きは止ま――――って。
「……く……ッ」
最奥に突き刺さった瞬間熱いものが吐き出されたのがわかった。
「………」
え……先生、もしかしてイった?
え……―――早っ。
いつもならねちねちネチネチしつこいくらいにシてからイくのに、今日は早い……よね?
乱れた呼吸を整えながら先生をそっと見る。
私の頬に先生の汗が落ちてきて、先生も荒い息を吐いているのをみて、やっぱりイったんだって改めて実感。
「……あき……」
と、って言いかけた瞬間、また―――動き出した。
「えっ……ぁあんっ、ひゃ……っあ!!」
一度も抜くことなく先生が律動を再開して、私の蜜と先生の白濁が混ざり合ったのが繋がったところからぐちゅぐちゅと溢れていっているのを感じる。
「みゆう……」
熱に浮かされたように先生が私の名前を呼んでキスしてきて―――私はまた快感の渦に飲み込まれていった。







「んっ、……あ……ん……ん……」
あれから何回イったんだろう?
リビングからベッドに場所は移したけど、その間先生は一回も私のナカから出てない。
それだけじゃなくって、イった回数も私と同じくらいなんじゃないかな?
何回もナカに出されて、お尻のほうまでべたついていた。
いまは四つん這いにされて後から突かれてる。
私はもう腕に力が入んなくって上半身はもうベッドに沈めてお尻だけ持ち上げられているような、卑猥な格好。
「ぁ…あ……ん…………」
喘ぎ声は上げてるし、気持ちいいんだけど―――……。
「おい! こら、寝るな!!」
グンっと、最奥を突かれて少しだけ我に返って「ぁん…………」って喘いで―――……。
「だから寝るな! まだ終わらないぞ!?」
なんか先生が叫んでるけど、もう無理……。
気持ちいいけど―――めちゃくちゃ眠い、眠くてたまらない!
ゆさゆさと突きあげられる振動さえ眠気を誘うものでしかなくって。
終わらないぞって一体先生どんだけするつもりなんだろう?とか。
こんなに抜かないままでシつづけるのも本当に珍しい、とか。
いつもなら2回くらい続けてシて、そのあとはネチネチくどくど玩具で弄られたりなんだり変態プレイにつきあわされたりするのに、とか。
そんなことを頭のほんっとーに端っこも端で考えながら……。
「実優!」
先生の叫び声、私のナカを抉る熱い硬いものの感触を感じながら……私の瞼は完全に落ちて、思考も停止してしまったのだった。







窓から差し込む朝の光に目が覚めた。
ぼーっとして横を見ると先生が寝ている。
「………クマ?」
爆睡している様子の先生の目の下にはうっすらクマができてる。
どうしたんだろう?
不思議に思いながら身体を起こそうとして下半身の鈍痛と―――ナカからなにか出てくる感覚に太股をすり合わせる。
「な、なに?!」
びくびくしながらちょっとだけ……あそこを触ってみて。
「……え……まさか」
昨日の夜のことを思い出すと同時に、嫌な予感がした。
まさかまさか……。
「せ、先生!? 私が寝てる間もシてたの!?」
驚きに先生を強く揺するけど、先生はうるさそうに寝がえりをうつだけで起きる気配もない。
「ちょっと、先生ー!?」
結局どれだけ私が呼びかけても無理で、結局先生が起きたのは昼も1時を過ぎた頃だった。
そして……。
「先生?」
もしかして昨日先に寝ちゃったことに逆ギレされるかも、なんて思っていたのに。
「いらないの?」
私が作ったブランチに手をつけることもなく―――。
「せんせー?」
なぜか先生はめちゃくちゃ凹んでいる様子でローテーブルに突っ伏していた。
ほんと、昨日からどうしたんだろう?
なんか変なものでも食べたんじゃないかな?
まさか先生が私に媚薬を飲ませるつもりで自分が飲んじゃって、我を忘れて盛りまくった自分に嫌気がさして凹んでる、なんてこと知るはずもなくって。
「そういえば、先生。きのうイくの早かったね?」
なんとなく思いだしてそう言った私の言葉に、先生をとりまく鬱モードが一層濃くなったのは……私のせいじゃ、ないよね?



もしも媚薬を飲んだら〜END☆