EXTRA GAME / Delusion 3

「せ、先生! まさか触診とかいって全身さわりまくってエッチになだれ込むなんてベタな展開じゃないですよね!?」
準備が整って、なかなかの雰囲気が出てる中、実優への触診をしようとしたら遮られた。
しかも勢いよく。
ベッドから起き上がって不満そうに言ってくる実優。
「………悪いのかよ」
せっかく今日は"優しい保健室の先生"っていう設定でいってたのに、中断されて眉間にしわが寄ってしまう。
「悪いですよ! せっかくの保健室に白衣なのに! そんなのヤです!!! だって、保健室で保健の先生と禁断の×××なんて!! ぶっちゃけ萌えるのに!!! 先生の展開じゃ、なんかたんなるAVみたい!! やだ!」
「ふーん」
拳を握りしめて力説している。
ていうか……こいつこそ乗り気だったんじゃねーか。
最初の嫌がり方はどこへってくらいに張りきっている。
「じゃ、どんな展開ならいいんだよ」
「え」
「………」
「もしかして、私喋って」
「ました」
ショックを受けた様子で実優は口を覆った。
「実優ちゃん? どんな展開がお好みで?」
どうやら胸の内で言ってたつもりらしい実優の顎を掴んで、目を覗きこみながらニヤリ笑う。
「実優?」
「……はい」
「で?」
「……えーっと、教師だけど好きなんだって告白して、半分無理やりな感じで押し倒す、とか?」
お前こそ漫画かなにかの見すぎじゃねーのか、と言いそうになったが寸前で止めた。
せっかく乗り気になってるんだから、実優の案にのってやろう。
ため息をひとつついて一旦ベッドから離れる。
『好き』だと告白なぁ―――。
ここ数年恋人というものを設けずにセフレばかりだったから、その言葉をいうのさえ久しい。
付き合っていると『好き』だの『愛してる』だのが必要になってくるから面倒くさい。
ま、今日はそういうプレイだから面白さのほうが勝つかもしれない。
そういや告白さえ俺からしたことない。
そんなことを思いながら実優の身体を挟むようにして手をつきその目を見つめる。
「橘……。ずっと好きだった」
女が好きそうな雰囲気を意識して作り甘く囁いて―――キスを落とした。
キスを深めていって制服をめくりあげると、とっさにといった感じで実優は胸を隠すように手で覆った。
「せ、先生」
もう何度も肌を重ねているくせに、恥ずかしそうに頬を染める姿に笑いがこぼれそうになるのを堪えて囁く。
「橘、俺に見せて……全部」
両手をベッドに縫い止め、露出している肌に唇を舌を這わせていった。
できるだけソフトに愛撫していけば、素直な反応が実優の身体から伝わってくる。
それに楽しさを覚えながら、ただこのまま続けるのもつまらなくも思う。
淫らに肌蹴た制服の隙間から赤く染まった白い肌を眺め、実優へと視線を流す。
「お前のことが好きすぎて押し倒したが……。いやならこれ以上はしないから……。どうする?」
無理やり続行よりも、自分から求めさせるほうが尚面白い。
困惑気味に俺を見返す実優の頬を一舐めして、太腿を撫でる。
「このまま進めていいなら……足開いて?」
一瞬目を見開いた実優はすぐににらみつけてきた。
だが目は潤んでいて効力も説得力もなにもない。
感じてるのなら素直にさっさと素直になればいい。
あと一押しが必要ならば、もう一度囁いてやろう。
「橘……ずっと好きだった……。だから――――だから、足、開け」
「………ヤダ!」
せっかくの俺の優しい台詞―――まあ確かに少し路線がずれたが―――を一蹴する実優に舌打ちし、大きく脚を広げた。
身をよじる実優の腰を動けないよう抑えながら片脚を持ち上げて舌を這わせていく。
焦らすように脚の付け根まで舐め上げ続けていれば、甘く乱れた呼吸と呟きが聞こえてくる。
「……せ、んせ…い」
「どうした、橘?」
物欲しそうに見つめてくる実優に笑いを堪える。
微かに震えている太腿を撫で、その感触を味わいながら笑みを作って向けてやった。
「先生、無理やりなんてひどいことできないからさ。橘がしてほしいことだけ言ってくれれば、するよ」
エロい顔でねだればいい。
唇を噛み締めて羞恥に耐えている実優を見つめていると、もっと羞恥に赤く染め卑猥な言葉を吐かせたくなる。
「……先生っ」
「ん?」
「わ、私だって……生徒の立場で先生相手にしてほしいことなんて言えるわけないですっ! も、もし先生が私のこと好きならっ…、その……自由に、してください……」
「………」
なるほど、そう来たか。
まあ悪い手じゃない。健気に一歩身を引いて俺にすべてを任せようとする台詞だってのはわかる。
が―――、そうすれば結局は俺のいいようにできるってことをわかってないのかね、こいつは。
とりあえず、ご希望通りに自由にさせてもらおう。
「……そうだな。無理やり、がお好みって言ってたもんなぁ」
無意識に浮かんだ笑みに実優が顔を強張らせるのを見て、さらに笑いを深くしてやった。
「んじゃ、愛しの橘……実優ちゃん。俺の命令、聞いてね?」
「………え」
俺を興奮させるくらいのエロい姿、見せてもらおうか。
ゆっくりと実優の脚を解放する。
そして何を言われるのだろうと怯え―――だがわずかな期待を滲ませてる瞳を見据えながら、
「パンツ脱いで、股広げて、自分でシて?」
そう言った。