secret 88  愛する人

それから2人黙々と勉強&仕事をして。
お昼は出前のピザを取って、食べながら先生は仕事して。
私はピザを食べながらテレビを見てた。
そして夕方4時を過ぎたころ先生がようやくパソコンを閉じた。
メガネを外して疲れた様子の先生にコーヒーを淹れてあげる。
「ああ、ありがと。……もうこんな時間か」
「いえいえ。夕食どうしますか? 冷蔵庫にあるもので適当に作ります?」
だいたい週末先生のマンションで過ごすときは夕食を食べてお風呂まで入ってから帰宅するようになってた。
「外食でもするか? バレンタインだし」
「え、でもバレンタインって女の子のイベントですよ? 先生がお金出しちゃったら意味ないですよ。私が作りますから」
「そういわれりゃそうだな。わかった。で、食後のデザートがお前、な?」
「………先生ってオヤジですよね」
「………俺的には変態のほうがマシだな」
「………そうですか?」
どっちも同じのような。
でも先生は不本意そうで、俺はまだ20代だ、なんて言いながらキッチンに歩いていく。
私もあとを追って、冷蔵庫の中をチェック。
食材は初めて来たときよりもすごく増えてる。野菜やお肉も一通りあるから、なんでもできそう。
なに作ろうかなぁ。
「カレーは?」
「だったらシチューがいいな。今日ちょっと寒いし」
「んじゃシチューで」
「あ、先生は向こう行っててください。今日は私が作りますから」
「一人でできますか?」
「できますよー!」
変態エロ教師でボンボンの先生は結構料理が得意だったり、家事もうまくこなしてたりする。
ここで料理する時はいつも手伝ってくれるし。
先生って意外にいい旦那さんになれそうだよね、っていつも思っちゃう。
もちろん本人には調子にのるだけだから言わないけど。
「んじゃ、頼んだぞ」
笑って私の頭をポンと軽くたたいて、先生はソファーに戻っていった。
それからシチューを作り始めたんだけど。
pipipipi………。
先生の携帯が鳴ったのはシチューをつくりはじめて30分くらいたったころだった。
「………先生? 電話でないんですか?」
携帯の液晶を見たまま受話ボタンを押さない先生。
だから携帯は鳴り続けてる。
「……めんどくせぇ……」
ぼそり呟くと先生はようやく電話に出た。
「もしもし? ああ、なんだよ。はぁ? 冗談だろ。忙しい」
携帯片手に煙草に火をつけて先生は心底イヤそうな顔してる。
誰だろ? お友達かな?
「無理。あ? 知るか。………んだと?」
たぶんお友達なんだろうな。すごく親しそうだし。
「お前には関係ないだろ。あー、もうウルセーな」
ていうか、何気に口悪すぎじゃ……。
いつもより三割増しくらいに言葉遣いが荒い気がする。
「……は? 違う。智紀……お前、まじウゼえぞ?」
智紀―――って聴き覚えがある。
確かオーベルジュカメリアの道隆さんたちの息子さん……で、先生のお友達だったよね。
「………お前。……違うって言ってるだろ。馬鹿か。あー、もういい。行く、行くから。つーか、覚えてろよ、あとで」
最後はとっても低い声で言うと、ぶちっとイライラした感じで先生は携帯を切ってた。
つけたばっかりの煙草をもみ消して大きなため息をついて。そして先生がキッチンにやってくる。
「悪い。用事ができた」
先生は眉間にしわを寄せて不機嫌さMAXな感じ。
「そうなんですか。えっと、じゃあシチューどうしましょ」
お友達の誘いなら断るの悪いし、私は別に気にしないんだけど、先生は珍しく申し訳なさそうにもしてる。
「6時半に出ればいいから、行く前にシチュー食ってく。実優も食うだろう?」
「はい。じゃあ早く仕上げますね」
「ああ―――」
シチューはもうルーも入れて、最後の煮込み段階。
いまはサラダを作ってお皿に盛ってたところだった。
あとはバゲットを切って。うーん、ガーリックトーストにしようかな―――って、なに?
「……先生?」
冷蔵庫に寄りかかって先生がじっと私を見つめてた。
すごく真剣な表情で。
「な、なんですか?」
「……いまのうちにここでヤるべきか、食ってから手早くヤるべきか」
顎に手を当てて、ものすっごく悩んでます、な雰囲気でなにを言うかと思ったら……。
「ヤりません! シません! そんな時間ないでしょ!?」
「時間ならそんなかからないだろ。お前すぐ濡れるし。挿れて、最初っからMAXで―――」
「だから、シません!!!!」
「俺のチョコ食ったの誰だ?」
「………」
「あとでご奉仕しますって言っただろ、さっき」
「言ってませーん!!」
チッ、と先生は舌打ちして、一気に私に近づいてきた。
抵抗する間もなく口を塞がれる。
「っ、ん……ん……っ」
ねっとり口内を這い回る舌。
一方的に犯される。
生まれてくる気持ちよさに、舌を絡め合わせたくって先生の舌を追いかけるけど、先生は答えてくれなくって。
「んん……っ」
ねだるように……ぎゅっと先生の胸元を握り締めた。
一瞬唇が離れて、ふっと先生が笑って、また唇を塞がれる。
今度は舌を絡め合わせて―――くちゅって水音がときおりこぼれる。
深いキスにぼーっとなった頃、カチって……たぶん火を止める音がした。
先生の手がスカートの裾から中に入ってくる。
太ももを撫でて、パンツを引きずり降ろされる。
「んっ、……せん……せ」
「濡れてるくせに」
そう言って、先生の手が中心に触れてきた。
「……っあ、……ゃ」
指が滑る感触に、先生の言葉通り濡れてるのがわかる。
恥ずかしさに顔を赤くしてると、ゆっくり先生の指が一本入ってきた。そして親指が突起を弄り出す。
「ん……んっ……あ……っ」
くちゅくちゅ、卑猥な音がすぐに大きくなってきて―――ぞくぞくって快感が背筋を走る。
「挿れても大丈夫そうだな」
確かめるようにナカをかき回す指が一本追加されて、水音も増してしまう。
先生は指を私のナカに沈めたまま、空いた手でポケットからゴムを取り出した。
………先生、ポケットに常備しないでください。
一瞬、呆れちゃうけど、激しく突起を擦られてそんな考えも飛んでしまう。
「ぁ……っ、あ……ん、ん……っは……」
口で封を開けて、ゴムを渡された。
「どうする? 挿れてほしいならつけろ」
「………っ………ぁ……っ、せんせ……のバ……か…っ」
軽くにらむけどたぶん効力なんてない。
そんなの建前で―――私の手は先生の熱く硬くなったモノにゴムをつけていってるし。
「首に手を回せ。最速で……イクぞ? ついてこいよ?」
ニヤって先生が笑って、言われたとおりに先生の首に手を回す。
指が引き抜かれたと思ったら、ぐっと片脚を抱えあげられて、そして先生のが一気に入ってきた。
「んんっ! あんっ、ゃっ、あ……っ!」
ぐちゅぐちゅ、打ち付けられるたびに私のナカから蜜が溢れてこぼれていってるのがわかる。
言葉通りに激しく突き上げてくる。
「んぁ……、あ、ぁ…ん」
強い快感に身体が震えて、先生に必死でしがみつく。
ぐちゅ、ぐちゅっと大きく、奥まで攻められて、あっという間に達してしまう予感。
「ゃ、あ、……っ、あ、んっ!」
腰にまわされていた手が密着する身体の間に潜り込んできて、突起に触れてきた。
激しく突かれて、突起を擦られて、目の前がチカチカしてくる。
「イケよ」
耳元で囁かれる先生の声。
いつもよりちょっと掠れた先生の声に、快感が一気に押し寄せてくる。
「んっ、あっ……や…ぁ…ん……っ、イ……イっちゃ……う……っ」
抉るように擦りあげられて最奥をグチュンと突かれた瞬間、身体が大きく震えて達してしまった。
「………ッ……、締めつけ……すごすぎだろ」
笑いながら、でも微かに眉を寄せながら、先生がキスしてくる。
イッたばっかりでビクビク身体が震えているのに、先生の動きは止まらなくってどうしようもないくらい―――気持ちよくってしょうがない。
「……ッ……ん……」
喘ぎは全部先生に飲みこまれていく。
グチュグチュ粘着質な音が一層増して。
「………っ……く」
先生の呻きが私に流れ込んできて。
ナカで、先生のモノが膨張するのがわかった。
バシッバシッと強く打ちつけられる腰。
そしてゴム越しに熱いものが吐き出される感触。
「………んっ……」
ビクビク、アソコが収縮して先生のモノを締めつけているのがわかる。
ゴム越しなのに、先生のモノが微かに痙攣してるのがわかる。
全部を感じながら、しばらくの間、舌を絡め合わせてた。